当研究室では,以下に挙げる主に生体循環系を対象とした生体医工学関連の研究を行っています.

人工心臓の制御に関する研究

 人工心臓(Artificial Heart),補助人工心臓(Ventricular Assist Device, VAD)は機械のポンプによって血液を拍出する医療機器で,主に心臓移植待機患者さんや重篤な心臓病患者さんに装着されます.近年ではVADに使用されるポンプの小型化や耐久性の向上から体内にポンプ本体を植込んで運用されるケースが増えています.

 当研究室ではこれら人工心臓を適切に運用するための,計測方法,状態観視方法,制御方法についての様々な課題について研究しています.

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生理計測と自律神経解析

 自律神経は,人間が生命を維持するために,循環器,消化器,呼吸器などの活動を24時間絶えず調整している神経です.体の活動時や昼間に活発になる交感神経と,安静時や夜に活発になる副交感神経があり,その2つはバランスしています.また,これらの活動は心拍数,発汗,瞳孔調節に影響を与えています.

 当研究室では,主に循環系を対象とした様々な生理計測と,それらの情報から自律神経の活動を評価する方法の開発とさまざまな分野への応用のための研究を行っています.

映像の生体影響の評価と解析

 上記の生体計測の応用として映像の生体影響の評価に応用しています.具体的には,映像酔い症状の評価法の開発と映像要素からの映像酔いリスクの予測および安全な映像のガイドライン作成に関連した研究を行っています.

心電図解析法の開発

 心電図は心臓の電気的活動を体表面で計測したものです.心電図からは心拍数だけでなく,心臓の状態や呼吸など様々な情報が抽出可能です.当研究室では医師の心電図による診断を支援するための新しい信号処理法の開発を行っています.